俯瞰マップ|掲載7社を4タイプで見る

本メディアでは掲載7社を「構造タイプ×大空間実現手段」を手がかりに4タイプへ整理しています(業界標準の分類ではなく、市場全体が4つに分かれるという意味でもありません)。工務店型・木造ラーメン構法系/大手木造フレーム系/鉄骨系/高断熱・枠組壁工法系のそれぞれで、採用構法・実現できるスパン・向いているケースが異なります。

このページの要点

  • 本メディアは掲載7社を構造タイプと大空間の実現手段を手がかりに4タイプへ整理している(業界標準の分類ではない)。ただし「工務店型/大手」は企業属性、「高断熱・枠組壁工法系」は構法と訴求価値の組み合わせであり、区分の軸は完全にはそろっていない。工期・費用・保証・対応エリアは構造だけでなく会社規模・商品・販売体制にも左右される。
  • 4タイプの該当社数は、工務店型・木造ラーメン構法系2社・大手木造フレーム系2社・鉄骨系2社・高断熱・枠組壁工法系1社。
  • タイプ間に序列はなく、並び順は該当社数の多い順、同数の場合は構造材(木造→鉄骨)、さらに木造どうしでは事業形態(地域工務店→大手ハウスメーカー)に従うという機械的規則で固定している。タイプ内の会社の並びは会社名の五十音順(アルファベット表記の社名を先に配置)。
  • 各タイプページでは、採用構法の技術的特徴・向いているケース・該当社一覧を確認でき、気になる会社の詳細ページへ直接進める。

4タイプの俯瞰マップ

掲載7社を構造タイプで切ると、工務店型・木造ラーメン構法系/大手木造フレーム系/鉄骨系/高断熱・枠組壁工法系の4タイプに整理できます。業界標準の分類ではなく、掲載7社を見比べるために本メディアが設定した編集上の区分です。それぞれ「向いているケース」が異なります。

工務店型・木造ラーメン構法系

木造で大空間を実現しつつ、地域密着で設計自由度と対面の設計提案を重視するタイプ

木造ラーメン構法「SE構法」を提案・採用する工務店・設計事務所併設型のグループ。集成材と専用接合金物によるラーメン躯体と耐力壁を構造計算で組み合わせ、住宅では通常9mスパンが可能とされています(出典:エヌ・シー・エヌ「SE構法の構造」ページ)。SE構法では全棟で許容応力度計算を行うことが構法の要件とされています(会社の全商品が対象とは限りません)。

大手木造フレーム系

独自開発の木造構法で木造の大空間を実現し、長期の保証・アフター体制を重視するタイプ

住友林業のビッグフレーム構法(BF構法=木質梁勝ちラーメン構造)や三井ホームのプレミアム・モノコック構法(面で支える枠組壁工法系)など、大手ハウスメーカーが独自開発した木造構法のグループ。構造の原理は各社で異なります。BF構法は特許技術「プレストレストティンバー」の採用時に最大開口幅約7.1mまでの設計が可能と公式ニュースリリースに掲載しています(出典:住友林業ニュースリリース/2017年4月20日)。

鉄骨系

鉄骨造で大スパン・大開口を実現し、工場生産による品質管理と大手のアフター体制を重視するタイプ

積水ハウスISシリーズ(軽量鉄骨・ダイナミックフレームシステム)やヘーベルハウス(重量鉄骨システムラーメン/ハイパワード制震ALC構造)など、鉄骨造で大空間を実現するグループ。鋼材の種別・構造形式は各社で異なります。積水ハウスは1階は最大7mスパン・天井高2.7m、2階は最大8mスパン、2階天井部分には最大8mスパンの小屋吹き抜けを掲載しています。

高断熱・枠組壁工法系

大空間だけでなく断熱・気密性能や収納量との両立を重視するタイプ

一条工務店の主要商品(2×6の枠組壁工法をベースにしたツインモノコック構造など。商品により構法・断熱仕様は異なります)のように、大空間と別軸の価値(断熱性能・収納力)を組み合わせて提案するグループです。

タイプの選び方

4タイプは木造か鉄骨か、地域密着か全国大手かという2つの判断軸で大まかに整理できます。木造で地域密着の設計対応を重視するなら工務店型・木造ラーメン構法系、木造で大手の保証・アフター体制を重視するなら大手木造フレーム系、鉄骨の高強度・工場生産の品質安定を重視するなら鉄骨系、大空間に加えて収納力や断熱性能を重視するなら高断熱・枠組壁工法系が候補になります。1つのタイプに絞り込む必要はなく、複数タイプの該当社を比較検討することも可能です。

判断の起点になりやすいのは、木造と鉄骨のどちらで検討するかという構造材の選択です(木材の質感と構造性能は別の観点であり、優劣を比べるものではありません)。木造を希望する場合、さらに「地域密着の工務店に対面で相談したいか」「大手ハウスメーカーの保証・アフター体制を重視するか」で工務店型・木造ラーメン構法系と大手木造フレーム系に分かれます。鉄骨を希望する場合は、各社が採用する構造形式(軽量鉄骨か重量鉄骨か、ラーメン構造かブレース併用か)によって設計の考え方が異なります。収納力や断熱性能を大空間と同じ優先度で検討したい場合は、高断熱・枠組壁工法系の提案が参考になります。

4タイプの大空間に関する公式掲載値

各タイプの会社が公式サイトに掲載する大空間に関する記載を並べた早見表です。スパン・開口幅・天井高・小屋裏の吹抜はそれぞれ別の指標であり、数値をそのまま横並びで比較することはできません。

4タイプの大空間に関する公式掲載値(2026年8月時点・公式サイト出典)。指標が異なるため数値の横並び比較はできません
タイプ 代表的な採用構法 大空間に関する公式サイトの記載(指標に注意) 該当社数
工務店型・木造ラーメン構法系SE構法(木造ラーメン構法)柱間スパン:住宅では通常9m(構法一般の公式表現)2社
大手木造フレーム系BF構法(木質梁勝ちラーメン構造)/プレミアム・モノコック構法(面構造)ほか開口幅:BF構法で最大約7.1m(プレストレストティンバー採用時)、三井ホームGフレームで最大約7.3m(構造計算による)2社
鉄骨系軽量鉄骨(ダイナミックフレームシステム)/重鉄システムラーメン構造ほか積水ハウスで1階最大7mスパン・天井高2.7m/2階最大8mスパン/2階天井部分の小屋吹き抜け最大8mスパン2社
高断熱・枠組壁工法系2×6枠組壁工法(ツインモノコック構造)ほか商品により異なるスパンの公表値なし。高断熱高気密仕様と38帖LDKなどの施工例を掲載1社

数値はいずれも各社公式サイトの掲載値であり、実際に建てられる規模は敷地条件・プラン・仕様によって変動します。詳細は各タイプページと該当社の詳細ページで確認してください。

よくある質問

俯瞰マップに関する質問を4問にまとめました。

本メディアは掲載7社をどう分類していますか?

本メディアでは構造タイプと大空間の実現手段を手がかりに、工務店型・木造ラーメン構法系/大手木造フレーム系/鉄骨系/高断熱・枠組壁工法系の4タイプへ整理しています。業界標準の分類ではなく、掲載7社を見比べるための編集上の区分です。市場全体が4つに分かれるという意味ではありません。

自分に合うタイプはどう判断すればよいですか?

各タイプの「向いているケース」を読み、希望する大空間の規模・木造か鉄骨か・収納との両立を重視するかなどの条件と照らし合わせて判断します。1つのタイプに絞り込む必要はなく、複数タイプを比較検討しても構いません。

タイプの分類に序列はありますか?

序列はありません。並び順は該当社数の多い順、同数の場合は構造材(木造→鉄骨)、さらに木造どうしでは事業形態(地域工務店→大手ハウスメーカー)に従うという機械的な規則で固定しており、特定のタイプや会社を推薦するものではありません。タイプ内の会社の並びは会社名の五十音順(アルファベット表記の社名を先に配置)です。

1社が複数のタイプに該当することはありますか?

本メディアでは各社を採用構法に基づき1タイプに分類していますが、実際には木造とRC造を併用する会社など、複数の特徴を持つ会社もあります。詳細は各社の詳細ページで確認してください。

なぜ構造タイプを手がかりに分けるのか

大空間住宅の検討では、構造の選択が早い段階の分岐点になります。木造か鉄骨か、どの構法かという違いは、実現できるスパンの上限に直接関わるためです(工期・費用・保証・対応エリアは構造だけでなく、会社規模・商品・販売体制にも左右されます)。なお本メディアの4タイプは、企業属性(工務店型/大手)と構法・訴求価値が混ざった区分であり、軸が完全にそろっているわけではありません。検索行動でも「SE構法」「BF構法」「鉄骨IS」のように構法名や実現手段のキーワードとセットで調べられる傾向があり、構造タイプを軸に市場を整理すると、読者が各社を比較する際の判断材料と一致しやすくなります。

一方で、同じタイプに分類される会社どうしでも、対応エリア・デザインの方向性・施工実績の見せ方には違いがあります。タイプはあくまで大まかな一次分類であり、最終的な会社選びでは各社の詳細ページに掲載している対応エリア・施工事例まで見比べて判断する使い方を想定しています。